トーハクの誇る日本美術の粋を堪能したのち、 静かな興奮とともに最後に訪れる展示室、第20室。 上野の森にある東京国立博物館本館の正面玄関横に位置する第20室に移設された ミュージアムショップのリニューアル計画。 展示導線の最終地点に移設されたショップを「最後の展示室」として位置付け、 来館者が鑑賞の余韻を楽しみ、また興奮を癒す設えとして、 柔らかな間接光に包まれた開放的な空間とした。 ◎配置計画 天井高さ7mの柱の無い大きな空間に、壁面に沿ってゆるやかなスロープ「本の道」、 その先の中2階部分に天井まで本棚のある「本の丘」を配置し、 天井高さを活かしたダイナミックな店舗計画とした。 スロープの下は倉庫として使用。 既存建物が重要文化財であるため建物本体への損傷が無いよう、 独立した構造としている。 ◎陳列計画 ディスプレイ台は視界を遮らないフラットな形状とし、 第19室からエントランスホールへ移動しながら商品が一望できる 計画とした。また車椅子使用者にも配慮した形状、高さ、配置としている。 商品陳列具は、商品の配置換えや、 様々な形の商品に柔軟に対応できる形状の置型陳列具としている。 ◎照明計画 ディスプレイ台と合わせて作られた照明ポールにより 柔らかに照らし上げられた天井と 本館ラウンジのモザイク壁の意匠を取り入れた オリジナルクロスで覆われた光壁による間接照明で空間の大きさを演出し、 余韻を楽しめるよう展示室とエントランスホールの中間の照度を確保した。 所在地/東京都台東区上野東京国立博物館本館内 主要用途/店舗 建築設計/ 石田設計室+ Team 20 陳列具デザイン:マツオカトモユキデザイン ディスプレイデザイン:ビーンズデザイン 光幕デザイン:ティー・デザインワークス、長内デザイン室 設計監修/香取建築デザイン事務所 構造設計/ハーモニウス 照明設計/LPA 施工/丹青社 大林組 改修面積/479.74m
「PROJECT ROOM 20」